ハッサク 特許出願中

属人化からの脱却。苗場プリンスホテルが挑んだ、スポットBPOによる『攻め』の人事管理

スポットBPO導入の背景と効果

課題 【冬期限定で約300名の大規模採用を短期間で行う必要があった】

・40社以上のエージェント対応が1名の担当者に集中し、パンク寸前だった
・情報がメールや電話に散在し、現場の不安から「過剰採用」のリスクを抱えていた
決め手 【冬季の数ヶ月間だけ、人事機能を拡張できるモデルが運営スタイルに合致】

・ツールの提供だけでなく、40社以上のエージェント調整や書類整理まで代行してくれる点
・現場との直接やり取りや欠員補充まで完結し、担当者が不在でも採用が止まらない体制
効果 【事務作業から解放され、人件費予測分析やスタッフケアなどのコア業務に集中可能に】

・充足状況をリアルタイムで把握できるようになり、採用ストップ判断や人件費コントロールが円滑化

【この山には、こころ踊る何かがある。】日本屈指のスノーリゾート、苗場プリンスホテル。
冬が訪れると、世界中から多くのゲストが集まり、白銀の世界は歓喜の声で満たされます。

冬の華やかな賑わいを支える舞台裏では、毎年ひとつの「死守すべきミッション」が動いていました。冬の数ヶ月間だけ稼働する、計300名のアルバイトとサービスクリエイター(※プリンスホテルでの臨時採用スタッフの呼称。以下、SC。)の確保です。
膨大な数のスキルシートの確認、電話とメールの対応に追い込まれる人事担当者。持続可能な管理体制を構築するために、冬期シーズン開始目前に苗場プリンスホテルが選んだのは、システムと実務代行が一体となった「スポットBPO」という、新しい人事の形でした。
過酷だった採用実務は、外部チームとの連携によってどう変わったのか。スポットBPO導入の決め手、導入の効果やこれからの展望について、支配人・人事・現場、それぞれの視点からお話を伺いました。

ご登場人物
株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド
苗場地区 管理部門 支配人 山本 和幸様
苗場プリンスホテル サービス チーフマネジャー 田島 恒史様
苗場プリンスホテル 管理 アシスタントマネジャー 齋藤 多広様

1. 【導入の背景】1人への業務集中が限界に。冬の安定稼働を目指した狙い

ーーー繁忙期直前のタイミングで、あえてスポットBPOを導入した狙いは?

山本さん:最大の狙いは「人的リソースの適正配分」と「恒常的な長時間労働の撲滅」です。 苗場では毎年、新規で200名のSCを各社からの紹介で採用しますが、職種、経験、入寮枠の男女比など、採用計画にぴったりマッチするとは限りません。 これらの情報を複数社の担当者様と連携し、緻密に組み合わせる調整業務が、冬季に向けた採用期間も通常業務を抱える人事担当者の大きな負担になり、毎年長時間労働を繰り返す要因となっていました。 そんな中、昨年秋に担当者一名が体調不良となってしまったことをきっかけに、シーズン本番目前ではありましたが、管理業務の安定稼働を実現させるため導入を決断しました。

ーーーご導入前の管理の業務の詳細を教えてください。

齋藤さん:冬季の準備を本格化させる10月・11月には、苗場プリンスホテルでは「紅葉営業」を行なっています。 この紅葉時期は一時的な繁忙期のため、自分たちも朝晩はシフトのヘルプに入りますし、その合間に各派遣・紹介会社さんからの電話が入るなど……。 先手を打って大々的に募集をかけられないことが続いていました。 あっという間に1日が過ぎ、自分が不在の間にチームが受けてくれた伝言メモも、他の書類に埋もれて気づくのが遅れたり。結局、自分が出勤を増やして対応するしかありませんでした。

苗場プリンスホテル 管理 アシスタントマネジャー 齋藤 多広様

2. 【導入後の変化:管理】「300枚のスキルシート」探しから解放。一元管理がもたらした業務の安定

ーーーハッサクとスポットBPOを導入したことで、実務はどう変わりましたか?

齋藤さん:ハッサクとスポットBPOを掛け合わせて導入したことで、一元化はもちろん、実務部分も担っていただけています。 現場責任者や私が参照できる紹介者リストまで作成いただき、期間や時給で瞬時に抽出できるようになりました。 これまでフォルダにある300枚もの就業中SCの書類の中からガチャガチャ探していた手間が、氏名検索一つで解決するのは本当に楽ですね。 特に助かったのが一括案内です。昨年までなら40社それぞれに電話していた「バス着任の方向けの集合時間が変更になる」などの急な案内なども、システムから一括で完了できました。 オーダーに関しても、欠員が出たところをBPOチームが現場責任者と直接やり取りして後任手配まで完了してくれるので、私への直接の電話確認は例年と比べかなり少ない印象です。

ーーー事務作業が減ったことで、注力できている業務は何でしょうか?

齋藤さん:採用のやり取りにかかる時間はかなり減りました。 もともと管理が担当する業務は、採用だけでなく、労務周りや給与計算、社内の総務、寮の管理など多岐にわたっています。 月初であれば、各部署の勤怠締めや給与関係の業務、人件費関係の経営ボードへの報告、さらには毎月の安全衛生委員会の対応……。 これらだけで月の最初の10日間は過ぎてしまうのが常でした。

今年は特に人員体制の変更もあり、もし自前で採用業務を抱え続けていたら、こうした通常業務がままならない状態になりかねませんでした。 BPOの導入によって、急な欠員があっても通常業務にしっかり時間を使える体制に戻れたことが何より大きいです。 GM(総支配人)からは、無事に年末年始を越えられたことや、労災が0件であったことについて高く評価いただきました。

さらに今シーズンだと、インフルエンザの流行によって、寮の部屋の割り当てを急遽考え直す必要が出てきました。 採用プロセス以外の「現場でしかできない実務」や、食品衛生といったそれぞれの領域の専門的な部分に、社員である私たちが注力できる。 これが管理部門として理想的な体制だと、取り組む中で実感しています。

3. 【導入後の変化:現場】連絡の「抜け漏れ」がゼロに。現場責任者とBPOが加速させる採用スピード

ーーー現場の責任者として、採用まわりの情報の正確性やスピードの変化をどう感じていますか?

田島さん:非常に整理された形で情報が届くので、こちらとしても返信がしやすくなり、当然、結果的に採用までのスピードが上がりました。 これまでは開始時期がずれた際などに「誰のことか」を探し直すのに時間がかかっていましたが、今はBPOチームが伴走し、弊社のフォーマットに見やすく整えてくれているので、パッと情報を遡れます。

就業辞退が出た時もすぐに後任を募集してくれるので、不安はありませんでした。 驚いたのは「延長確認」の工数です。 以前は延長を数日待たせてしまっていること自体に気づけていませんでしたが、今はそのスピード感さえ把握できるほど工数の変化を感じています。 来シーズンは、より現場をみているメンバーにもシステムに入ってもらって、より良い採用活動を進めていきたいと思っています。

苗場プリンスホテル サービス チーフマネジャー 田島 恒史様

4. 【最大の成果】シーズン終了までの人件費を早期予測。可視化が生んだ「データに基づく適正配置」

ーーースポットBPO導入、最初のシーズンではどのような成果が得られましたか?

齋藤さん:最大の成果は、1月の段階でシーズン終了の4月までの人件費予測ができたことです。 これは昨年までと比べても非常に早い段階で実現できました。 また、現場は採用の進捗状況が見えない不安から「多めに採用したい」となりがちですが、今年は「いつからいつまで何名採用できているか」という情報があったので、判断の指標を持って現場責任者と「採用ストップ」のコミュニケーションが円滑に取れました。

山本さん:リアルタイムで充足状況が見える化されたことで、人件費コントロールの精度も上がりました。 リゾート型ホテルにとって、期間限定BPOは今後の人材問題を埋められる大変有効な選択であると感じております。

齋藤さん:私にとっては、外部にもう1名人事担当者がいる状態です。 本当に今回導入していなかったら私はダウンしていたと思います(笑)。 年末年始を越えたタイミングで連休が取れるようになったのは、本当に助かりました。