ハッサク 特許出願中

「ハッサク×BPO」導入により100名の社内関係者の動きを改善

ハッサク×BPO導入の背景と効果

課題 現場の人材ニーズにいち早く対応するための管理リソースが不足していた
 └ 人材ニーズの発生タイミングが施設ごとにバラバラだったため

本部人事に手配業務が集中し、現場や人材紹介会社との連絡頻度の増加が負担に
 └ 複数の派遣会社と同時多発的にやり取りが発生するため、スタッフ1名の受け入れに2日以上ラリーが発生することも
決め手 業界の特性に寄り添ったオーダー依頼ができるシステムの専門性
 └ 住環境の情報を含めて依頼ができるなどハッサクにしかない機能が決め手に

ハッサクの導入だけではなく、BPOとして導入~運用支援まで伴走があった
 └ 導入説明、引き継ぎ設計、ヘルプデスクなど“まるごと支援”
効果 現場⇔本部の確認・調整工数が「削減」「整理」され、人材のスムーズな受け入れが実現
 └ 派遣会社との連携や情報がハッサクに集約され、確認漏れや重複対応が減った

人材の充足状況がリアルタイムで自動更新され、受け入れスピードがUP
 └ オーダー公開から充足までが1〜2日に短縮

【ニッポンへ、出かけよう。】をコミュニケーションワードに掲げ、2024年11月1日にブランド統合した大江戸温泉物語×湯快リゾート。両社は長年、幅広い世代にとって「日本を旅する」ことを身近に感じられるおもてなしを提供し続けています。

日本の「温泉文化」を牽引するリーディングカンパニーを目指す両社は、ホテル・宿の運営を担うメンバーの採用チャネルの選択肢としてリゾートバイト(派遣・紹介)を活用しています。

=リゾートバイトとは=
リゾートバイトとは、日本全国のリゾートホテルや旅館、飲食店・テーマパーク・レジャー施設・スキー場等に短期間移住し、従業員寮で生活しながら、勤務する働き方です。
労働の対価として収入を得るだけではなく、新しい仲間との出会いや多様な価値観に触れる経験など、海外でのワーキングホリデーに近い体験価値を国内でも得られる手段として、株式会社ダイブでは主に25歳から44歳までの社会人を中心に支持されています。

スタッフ確保に関わる施設・人事双方の業務負荷を少しでも軽くし、お客様と向き合う時間を確保するために、受け入れ・管理業務においてハッサク・BPOを導入しました。
いまでは「受け入れまでのプロセスが可視化され、オーダーから人材の着任までのスピードUP」といった変化が生まれています。

今回は、現場と本部が感じていた課題、全国71施設(※2025年8月5日時点)を展開する大江戸温泉物語×湯快リゾート合同でのシステム導入の決め手、導入の効果やこれからの展望について、本部・人事・現場、それぞれの視点からお話を伺いました。

1. 導入のきっかけは業務の属人化と「24時間365日稼働する現場」への人材供給スピードへの課題感

ーーースタッフ管理システムハッサクとBPOの導入について、どのような経緯で検討を始められたのでしょうか?

土屋さん:お互いのいいとこ取りを念頭に進めてきたブランド統合のプロジェクトにおいて、両社の業務オペレーションの標準化も進んでいました。リゾートバイトスタッフの配置や管理についても効率化と標準化が重要なテーマとなっています。そのタイミングでダイブさんからハッサクの提案をいただきました。全社的に変化や仕組み化が進んでいく雰囲気があったことから、現場サイドにも受け入れていただける土壌があり、検討を進める運びとなりました。

大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社
管理本部 人事部 人材開発課 課長 土屋さん

ーーー土屋さんから「標準化」というキーワードがありましたが、2024年11月のブランド統合を受け、スタッフの受け入れに関する業務プロセスも統一していく動きがあったと伺っています。この辺り、現場目線ではどのような課題があったのでしょうか?

内藤さん:湯快リゾートの運営施設は約30でしたが、24年11月に大江戸温泉物語グループという統一ブランドになったことで、運営施設は一気に日本全国71施設(※2025年8月5日時点)となりました。季節ごとの繁閑差もあるなかで、なるべく各施設の特色にマッチするスタッフを配置していきたいというニーズは以前からありました。何より、24時間365日稼働するホテルにいち早く人材を届けたいものの、人事側のリソースは一名なので、リソース不足は否めず、どうしても対応に時間がかかっていました。

湯快リゾート株式会社
管理本部 人事部 人材開発課 内藤さん

木村さん:ホテルごとの特色もあれば、お客様への体験を思うからこそ、ポジションごとに譲れないスキルもあります。各施設から依頼を受けると、そうした情報を一度自分の頭の中で整理してから各人材紹介会社様へご依頼をするのですが、他の業務と並行して行わなければならないため、混乱することも多かったです。

湯快リゾート株式会社 木村さん

内藤さん:もうひとつ大きな課題だったのが、人事に新しいメンバーがアサインされた際の教育コストでした。現場での勤務経験が少ないメンバーがアサインされた場合、施設名と所在地、エリアマネジャーは誰か、支配人は誰かというところからOJTの必要があり、業務の習得まで少なくとも3ヶ月、独り立ちまでは半年近くかかることが常でした

ーーー業務ではどのようなツールを使われていましたか?

木村さん:各人材紹介会社との連絡はメールです。社内でのやり取りは社内コミュニケーションツールとメールが一部併用されていました。あとは、現場からなかなか返答が来ない時や、各人材紹介会社と急ぎの連絡があった際は、メールでは時間がかかってしまうので電話も。備忘録のために表管理ツールを使った管理もしていたのですが、どうしても抜け漏れが起きていました。同時に複数の就業希望者のやり取りがパラレルワールドのように広がっていくんです…。

内藤さん:1人の就業希望者さんの対応は15分〜20分程度なんですよね。ただ、そのやり取りが2日から数日にまたがって同時多発的に発生していく。土日に関しては、施設はもちろん稼働していますが、本部は閉まっています。その間溜まっている通知も多いため月曜は他の業務はストップせざるを得ないほど、丸1日対応に追われることも多かったです

決め手は「システムだけで完結しない」支援体制と、業務の標準化に向けた対応の柔軟さ

ーーーハッサク導入の決め手はどのような部分にありましたか?

土屋さん:システム面での導入の決め手は、業界の特性に寄り添ったシステム設計であることが実感できたことです。住み込み前提での受け入れが必要ですし、年間を通して施設ごとの繁閑差に合わせた迅速な人材オーダー依頼が必要になります。実は、過去にホワイトカラー向けの派遣管理システムの導入を一度試みたことがあるのですが、先ほど述べたような業界の特性にマッチせず、現場に負荷を与えてしまうことになったため、途中で挫折した経緯があります。その点、ハッサクはリゾートホテルの事業運営を想定したシステム設計になっていました。住環境を含めてオーダー依頼がかけられたり、現場と人材紹介会社がリアルタイムにやり取りができるなど、ハッサクにしかない機能は導入の決め手になりました

ーーーハッサク・BPO導入に向けた、ダイブBPOチームの伴走支援はいかがでしたか?不安に思われた点などもあればぜひ教えていただきたいです。

内藤さん:ものすごく期待していました、期待しかなかった。これはすごく大事なことだと思っているのですが、まず、BPOチームメンバーの人柄がよかった(笑) 新たな仕組みやシステムの導入にあたっては、社内でも関係者1人ひとりが納得しながら進めていくことが重要です。71施設(※2025年8月5日時点)の運営に携わるエリアマネジャーや支配人、料理長によってもちろん考え方が違って当然ですので、この大きな組織においてスムーズに導入を進めるのは並大抵のことではないのですが…ここを!頑張ってくれました!

木村さん:やはり人柄の良さは私も大事なポイントだと思います。導入が開始する前の準備段階から、何か不安や疑問があっても相談しやすい環境を心理的にも仕組み的にも整えてくれたと思います。

内藤さん:今後、同じようにご導入を検討される企業さまへ向けては、試験導入の期間に関してぜひ弊社の反省を活かしていただきたいです。今回弊社では、新たな仕組みとシステムを一度運用してみる試験導入期間を設けました。どうしても現場の忙しさからシステムに触れない支配人もいたため、試験期間がもう少し長くてもよかったと思います。

土屋さん:導入に先立って、リゾートバイトの受け入れに関わる社内関係者、約100名に対しても、準備段階からBPOチームの皆さん全面協力のもと、導入説明会を開催しました。現場への人材の確保は、施設を運営していく支配人や料理長にも非常に関心の高い領域なこともあり、とにかく質問が多かったですね(笑)

3. 導入後は、業務の見える化により現場と人事の負担を同時に軽減

ーーー導入後の変化を教えてください。

木村さん:オーダーの取りまとめから公開、その後の社内労務管理に必要な管理表の作成まで行なっていただいており、業務に関してはほぼすべて削減されました。さらに、手作業で表管理ツールへの転記や都度メールでの依頼を出していたため起きていた、整理している間に誤ってメモを消してしまうなどのミスも、ハッサク・BPOの導入で防げるようになりました。

効果 業務内訳
1日
3〜4時間の
工数削減
  • オーダーとりまとめ・公開(発生ベース)
     └ 15〜30分 × 週2回程度 × 2社分
  • メール対応(1通あたり3〜5分)
     └ 5通+α返信待ち対応 → 約25分+α × 2社分
  • 希望受付対応
     └ 1日あたり約5件(繁忙期:月最大120件)× 2社分
※返信待ちにより、最大2日程度のタイムラグが発生する場合あり

ーーー工数の削減が実現できたということですね。他にも実感されている部分はありますか?

内藤さん:現場からすると、本部や人事の動きってなかなか見えてこないので、これまではどういったプロセスで現場にリゾートバイトスタッフさんが着任するのか不透明でした。
これによって「依頼してからなかなか採用が進まない」といった不満もありました。今回、ハッサク・BPOの導入に合わせてオペレーションを見える化できたことは、導入プロセスや導入開始後に感じたメリットでした。
ブランド統合を受けて、組織体制も守っていく必要がある中で、業務プロセスが整理整頓されたことは大きな効果でした。

【業務プロセスのBefore/After】

土屋さん:導入から3週間ほど経ったある日、BPOチーム方から依頼中のオーダー一覧を共有してもらったとき「少ないな?」と感じました。実はそれは、ハッサク・BPOを導入したことで人材の充足状況がリアルタイムになった効果が出てきていたんです。

導入前には人材の充足状況がリアルタイムではなかったため、出しっぱなしになっているオーダーがあったのだと後からわかりました。今ではオーダーの公開から充足まで1〜2日程度と共有を受けています。

こういった具体的な導入効果はBPOチームの皆さんに協力いただきながら抽出を続けていきますが、気づいていなかった効果がまだあるのではないかと期待しています。

ーーー実際に施設運営をしながら人材の確保も担当される支配人から見て、ハッサクはどう見えておりますでしょうか。

杉尾さん:フロントやレストランなどといったポジションごとに業務の属人化が進んでいた現場では、限られた予算内での運営と業務効率の両立が課題でした。
ハッサクは、スタッフの配置や依頼のタイミングを考えるうえでも助けになる仕組みで、操作もシンプルなので直感的に使えるシステムだと感じています。
効果についてはこれから見えてくる部分も多いかと思いますが、今後は、受け入れ〜寮手配・制服準備なども一気通貫で進行できる“社内のハブ”としての進化に期待しています。現場の声が実際のシステムに反映されていくことで、私たちも本来注力すべき業務に集中できるようになり、組織全体の生産性向上につなげていきたいです。

写真向かって左:大江戸温泉物語 熱海伊豆山
ホテル水葉亭 杉尾さん

4. これからの展望、もっと「お客様と向き合える時間」の創出へ

ーーーハッサクやBPOを活用した展望があれば教えていただけますでしょうか。

土屋さん:社員もアルバイトスタッフも派遣スタッフも、現場に立てば大江戸温泉物語ブランドの顔として同じようにお客様に接することになりますが、現状は評価や育成といった部分はどうしても社員を優先している状況です。大江戸温泉物語ブランドでは、リゾートバイトスタッフさんがエリアを超えて繰り返し就業してくださることも多いので、その際のスムーズな引き継ぎや、お互いの合意の上での直接雇用への転換にも活用していきたいと考えています。

絹川さん:今回のハッサク・BPOの導入で、目下では繁忙期における人材確保のシミュレーションが行いやすくなるという期待感があります。現状では、71施設(※2025年8月5日時点)のうち採用がスムーズに進みやすい地域とそうではない地域に偏りがあります。根本の解決は一朝一夕にはいかないため、採用が思うように進まない地域の施設に対しては、正社員のメンバーの異動や外国人人材の力を借りています。人材の適切な配置、キャリアパスを含めて考えていくときに、異動元となる施設の戦力としてリゾートバイトスタッフの力を借りています。そのための一定の仕組み、システムが整ったことはありがたく感じています。

大江戸温泉物語ホテルズ&リゾーツ株式会社
管理本部 人事部 人事部長 絹川さん

絹川さん:また、リピーターのお客様の確保に人事としても寄与していきたいとも考えています。全社的に管理業務や事務業務を本部へ集約していく動きがある際に、土屋さんをはじめとした本部スタッフへの事務業務的負荷は課題でした。今回のハッサク・BPOの導入で、この部分が解消され始めています。これによって、お客様満足度向上に繋がっていくような人事体制の構築を進めていきたいと考えています。